感想御題:その肩にかかるは千人の味方の命と敵軍の殺気、そして戦場を包み込む圧倒的なプレッシャー。
――初陣軍師・貂の戦いは!?
第247話「軍師の初陣」

<前回までのあらすじ>
 キングダム史上最低の暴挙と共に、貂の女バレが目出度く(?)達成された処で。
 そんなほんわかした空気をブチ壊すかの如く、山陽戦での飛信隊へのリベンジに燃える将軍・間永軍師・氷鬼の二人が、里井攻略に動き出しました。
 早速軍師として指揮を執ろうとする貂ですが、そこは田永さんがキレたりとすったもんだの挙句に今まで通りの体制で……と戦いに臨んだら。

 きっちり「策」を弄する強敵の前に、沛浪・崇原・田有隊は壊滅。
 連絡路を断たれた飛信隊は各個撃破の大ピンチに…! ここへ来て、流石に貂も「やっぱり代わろう」と一言。
 …このままじゃ、マジで遠くない未来「飛貂隊」になりそうです。orz

 ――そして、今週号。
「早く決めろ。対応を急がないとバラバラになった小隊達は根こそぎ刈られるぞ」
 沛浪達を襲う大惨事は、最早一刻の猶予もならない緊急事態です。
 ここへ来て、信も遂に苦い表情ながらも指揮権を貂へ委譲しました。

 ………と、言う訳で。
 主人公の影が薄過ぎる! これでは味なぞするものか!!
 と叫びたくなる位、今週は貂大活躍です。
 扉絵でも、かっこいい軍師ポーズでキメてます。
 それなのに胸の影が気になってしまう私。本当にすみません。
 この子は身長とかはそんなに高くならない&基本ちょっと幼さの残る外見ながら、胸はK2東壁並だぜとかそんな感じに育ちそうだと思いました。
 現時点で、羌小姐位あるんじゃね? 既に(汗)
 羌小姐は……ええと……た、多分、スレンダーな感じで……(ボソボソ)
 すみません。胸の話はこの辺にしときます。
 
 一方、魏軍では、折角罠を張ってドキドキしながら待っていたというのに、待てど暮らせど信達は来ません。
「妙だな。飛信隊 信の性格なら直ちに自らこの地を取り戻しに来ると思ったが」
 ……全くその通りです。本当にありがとうございました(苦笑)
 ほんとに読まれてたよ!!! ・゚・(ノД‘)・゚・
 あのまま行ってたらまずかった………貂、ありがとう!!

 では、飛信隊本陣は何をしているのか? と思いきや。
 部下からの急報によれば、「忽然と姿を消した」との事。軍師・氷鬼は、散った各隊と合流して立て直しを図る気だと読み、大規模な捜索網を展開します。
 その頃、飛信隊は氷鬼の読み通り、散った仲間達を捜して「道なき道」を全力疾走していました。

 …ここで、ちょっと残念だったのが。
 貂、馬に乗れるようになっていたのですね……。いや、それはそれでかっこ良いのですが。
 王都奪還編の時みたいな抱っこ乗りが見たかったぜ…!!(血涙)
 ただ、
「テン、俺より前に出るな。危ェ」
 には、物凄く萌えました。
 信が普通にお兄ちゃんしている……!! こういう気遣いを自然に出来る所を見ると、家族みたいに大切に想っているなぁ…という温かみを感じます。人混みの中を一緒に歩いたら、はぐれないようにごく自然に手を握って歩きそうな感じですね。
 戦災孤児で本当の家族はいない信ですが、だからこそ、身内や家族同然の人間を大切にする気持ちが人一倍強いのかも知れません。
 
 ――という、私のどうでも良い愚痴だの萌えだのはさておいて。

 貂の迅速な対応により、氷鬼の包囲網が完成する前に飛信隊本陣は包囲網の裏側への脱出に成功。
 更に散開した仲間達を集めながら高台に本陣を置き直し、散ってしまった各隊の居場所を読み当てて再び飛信隊を一つに纏めてしまうという驚異的な手腕を発揮します。
 こうしてまんまと魏軍を撒き、取り敢えずピンチを脱した飛信隊ですが、貂の言う通り「本番はこれから」です。
 信…そんな、「やったな、テン」とか暢気に笑ってる場合じゃないぞ!!(^^;)

 ――その頃、微子城では。

「女の子?」
 弟・蒙毅くんの代わりに飛信隊へ向かった軍師について、蒙兄弟が仲良く会話中です。
「…別に彼女を庇うわけではないですが、軍師に性別はさほど問題ではないかと」
 …そんな蒙毅くんに「まーね」と答える蒙恬ですが、この表情、何を思っているのかちょっと気になります。(YJ81ページ4コマ目)
「おいおい、やけに肩持つじゃん…ひょっとしてこいつにも遂に春が来たのか?」的な感じでしょうか(笑)
 それはともかく。
 軍師は最前線で戦う武人ではありませんし、最も重要な「頭脳のキレ」さえあれば、確かに性別は関係ありません。そして勿論、そちらについては蒙毅くんのお墨付きでした。
「彼女はすでに昌平君(先生)の特別軍師認可をもらっていますから」
 なんか凄い言葉が出てきましたが、要するに「飛び級でメッチャ早く卒業証書貰った」的な感じでしょうかね…。
 しかも、まだ13、4程度の年齢で!?
 蒙毅曰く、それは「兄上以来の早期認可」との事。
 ここで、実は蒙恬も昌平君に学んでいたという事実が発覚。蒙恬の「先生」という呼び方がちょっと新鮮でした。軍総司令という立場とはまた別に、昌平君個人の事を尊敬してるんですねぇ。
 …蒙毅くん、じゃあ、兄弟子である君は…? と一瞬思いましたが、そこを深く突き詰めると哀しい事実が発覚しそうなのでこれはちょっと置いといて。
 蒙恬が山陽攻略戦で見せた頭のキレは、矢張り伊達ではなかったのですね。彼の場合、一人で軍師と武将を両方こなせるから(王賁も井闌車の件と言い、そういうタイプですが)特に「軍師」は不要…という感じでしょうか。
 蒙恬恐るべし。IQ200の頭脳と悪魔の如き強靭な肉体を併せ持つ漢…。怪物を超えた怪物と呼ばれる日も近いのでは……(笑)
 しかしそんな蒙恬は、何故「軍師」ではなく武将になっているのでしょう。
 初登場時、「俺本当は文官がいい」と言っていました(冗談かどうか不明ですが)し、そういう学校に入っていた位ですから、一時期は本当に、軍師・文官を目指していた事もあったのかも知れません。
 もしかして、弟が軍師を志して同じ学校へ入った時、将軍家の兄弟が二人揃って軍師やら文官やらになっちゃう訳にも行かないし…と思って、その道を諦めたのでしょうか…。
 ――それとも、蒙恬がこの後語る「軍師の適性」面で、何か問題があったのか…?
 閑話休題。
 今ではもう、学校で「軍略囲碁」でまともに戦えるのは蒙毅だけ、という頭脳に関しては飛び抜けた才能を示している貂。(さり気に蒙毅くん、自分の優秀さもアピールか…?)そう言えば、趙戦で見たあのマダオ共は今頃何してるんでしょうね。自分達より圧倒的に年下の蒙毅・貂にさっさと追い抜かれて、未だにまだ修行中なのでしょうか(苦笑)
 しかし彼女が「軍師」としてやっていけるかどうかには、もう一つ懸念がありました。
「それじゃ、あとは…軍師としての"適性"があるかどうかだな」
 これは恐らく、カイネも言っていた「軍師の本質」の辺りに関わる話ですね……! これが描かれるのは昂ぶります!
 蒙恬曰く「これがないと、どんなに才能があっても軍師として 活躍することはできない」
 蒙恬が語る「軍師の適性」とは何か?
 ――その前に、まずは合流を果たした飛信隊の面々へカメラは移ります。

 魏軍の罠にハマり、一時期は全滅の危機に陥った飛信隊ですが、順調に兵力を立て直しつつありました。
 田永隊も無事合流、「信の奴もたまにはやるじゃねェか」なんて満足そうな田永さんの笑顔がイイ味出してます(この人は、本当に信に付いてってるなぁ…と改めて思います^^;)
 しかし、去亥曰く「今指揮してんのはあの小娘軍師だ」との事。
 竜有・田有・松左・沛浪達は、驚く田永に、貂が「読み」だけで散り散りになってしまっていた自分達の隊を見付けて集結させたと語ります。
 彼らにも、その力が「只者ではない」ものだというのは分かりつつあるようですね。
 一方その貂は、崖上から戦場全体を俯瞰。この時のポーズが、凄く健康的な逞しさを感じさせてかっこ良い…!
 羌小姐とこの辺り、好対照ですね。
 あれ程の剣技を振るうにも関わらず、どこか儚さが漂う羌小姐と、その立ち姿だけで凄い「バイタリティ」を感じさせる元気一杯な貂。
 原先生め……。
 すかさずタイプの違うヒロインを投入するとは流石です……。。

 さて、その目には迫り来る魏軍の姿が映っています。ここで、蒙毅が言っていた「軍師の適性」の話が出て来ました。
 蒙毅曰く、「軍師は必ず初陣でその"適性"を試される」
 実戦経験の無い見習い軍師は、所詮「机上の策士」でしかありません。そんな彼らは、実際に戦場へ降り立つ恐怖を知りません。
 故に、初陣の時、迫り来る敵軍の殺気の中で冷静に策を立てられるのか? 冷徹に人と人を殺し合わせる事が出来るのか? そういったメンタル面での強靭さが真っ先に問われます。
 戦場の恐怖。
 日頃軽々しく扱っている「駒」に、数百人もの生の人間の命が宿っているという圧倒的なプレッシャー。
 こうしたものに潰され、何も出来ずに終了してしまう軍師見習いは沢山いるのだと……。
 そして実際に迫り来る敵軍を前にしている貂も又、その「適性」を問われていました。
 これを見ていると、信の初陣を思い出します。
 彼も又、最初に蛇甘平原へ行った時、「軍」と「軍」のぶつかり合う圧倒的な熱気・殺気に反応してその光景に驚愕していました。
 今、貂が数年遅れてそのスタートラインに立っている。
 凄く感慨深いものがあります……。

(王弟・成キョウの反乱で、実戦ってのは知ってるつもりでいた。
 でも、
これは違う!
 熱気と殺気が風に乗って、まとわりつく!!
 …………たしかに、こんなに息苦しいのは初めてだ)


 王都奪還編の時は、半泣きで信の傍にひっついていた彼女。
 しかし今、その何倍もの敵兵を前にして怯まない所がまた、更に成長を感じさせます……!!
 思いっきり深呼吸した後、「ふっ」と息を一つ。
 その後、「これが戦場の空気か」と佇むシーンは鳥肌モノです。

 戦う前から感じる凄まじいプレッシャー。
 今その小さな肩に、飛信隊千人の運命がかかっています。
(呑まれるものか)
オレが戦場(ここ)を呑んでやるんだ

 そのプレッシャーにも負ける事無く、配置に付かせる貂。先ず、最初の一歩目はクリアーしたっぽいですね。
 一方、飛信隊の動きを見た魏軍軍師・氷鬼は、「道清隊」なる精兵の千人隊を前進させます。
 一気に終わるぞ、と将軍・間永は楽しげに言いますが、氷鬼は「それならそれで」と答えつつ、それで終わるとは思っていないようです。
 彼が包囲網を敷く前にその裏へと脱出し、更にこれだけの迅速な立て直しまで図った飛信隊の動きから、何者かが参謀として隊に加入したのだ、と氷鬼は推測していました。
 その力量を測るべく、最初っからいきなり精兵隊を投入した訳ですが……。
 ここでいきなり精兵隊を惜しみなく投入する当たり、こんなかませ臭漂う作画の氷鬼さんも、年季の入った熟練軍師のようですね。
 そしてその動きは無論、貂の方からも見えています。
「来たっ。敵先鋒隊、八百から…千。そのうち騎兵二百。
 あ、私、補佐役の田孝です」

 ………誰に言ってんスか田孝さん(笑)
 ていうか、ここの補佐役にすら抜擢されてない楚水さん……。('・ω・`)
 いつか、補給・輸送メインで一話丸々書いてくれ……。
 楚水さんに光を!!(泣)

 しかしいいですね、優秀な美少女軍師にぽやんとした感じの凡骨成分100%な補佐役(一体何を補佐出来るのか極めて謎ですが^^;)なんという王道なコンビ!! 彼も今後、レギュラー化か…!?
 その報告に対し、「騎兵三百に歩兵七百」と、正確に数を言い当てる貂。
 山民族ならではの驚異的な視力の良さも健在ですね。
 レーダー等が無く、敵の姿は目視で確認するしかないこの時代に、この視力の良さはかなり大きいアドバンテージではないでしょうか。
 より広く、正確に戦場全体を把握出来るというのは、軍師としてそれだけでプラスになりそうです。
 そんな貂も又、敵の動きを見て、相手が自分の力量を測る気だと読みます。
(望むところだ!)
 ここで貂が打った一手は「待機」。
 ……歴戦のベテラン軍師の揺さぶりにも動じない貂、かっけェェェ!! とか思ってるすぐ隣のコマで。
(行くぞォォ)
 って何、行こうとしてんの!!(笑)
(バカ。待機だ、待機)
 崖上からものっそいジェスチャーで待機指示連発してる貂が可愛い…。そしてこのお約束すぎる凸凹っぷりがたまんねぇです(笑)
 本当にありがとうございました。m(__)m
 信…お前って子は…。
 しかも、普通に貂の指揮下に組み込まれ組み込まれ……組み込まれてるぅぅぅ!!!(笑)
 なんかここは、物凄く凹みました
 いや、勿論仕方の無い事と分かってはいるのですが(^^;)

 さて。
 ここでいきなり、千人対千人、というガチンコ勝負になった訳ですが…。
 当然、ここで戦力を失い過ぎれば残りの三千と戦えなくなります。
 ………え。
 ちょっと待って。

 ……残り三千って、何!?
 敵さん、四千人もいるって事なの??

 いきなり四倍の兵力差の敵を相手に、しかも勝つ気ですか軍師殿!!
 パネェ!!!

 とっ、ともかく、最初の千人は策にはめて効率良く倒さないと残りの敵を相手にする力が無くなるのは必定。果たしてどういう手を使うのか…!?
「かっ、河了貂。迎撃しないと、敵がどんどん…」
 慌てる補佐役・田孝さんに対し、貂は「いいんだ」とまだ待機の姿勢です。
 曰く、
「向こうからは見えていない。
 
飛信隊と魏軍の間に"隘路"があることを!!


 確かに、上から見ると分かりますが、細かく入り組んで迷路のようになった狭い道が幾つもあります。勿論、そういった地形も配慮してこの地に本陣を置き直したのでしょう。
 飛信隊は今、その出口を塞ぐような形で配置されていますね……。

「ここで一気に、敵先鋒隊一千を葬る!!」

 先鋒隊は飛信隊と同等の千人で、しかも精兵揃い。
 これを「隘路」と言う地の利を利用して、如何に葬るのか…!?

 以下、次号!!!


 ………っていうか………。
 この展開で、二週間の待機は勘弁してくれェェェ!! 本当に、タイムマシンとか使って二週間先のYJを手に入れたい……。orz

<追伸1>
 正直、今週号で出て来た「軍師の適性」のお話はあまり触れずに終わるのかなぁ…なんて内心思っていたので、凄く興味深いです。
 貂にとっては初陣ですし、信も貂も共に成長するエピソードだと嬉しいなぁと思っていたので。。
 プレッシャーに負けない精神力や戦場の空気に呑まれない度胸、といったものは、それなりに身についている気がします。黒卑村で生き抜いて来たり、王都奪還編・刺客襲来と言った修羅場を、信達と共に潜って来たのですから。
(蒙毅君も、「すでに実戦を知っているという強味はあります」と言っていた位ですし)
 ただ一つ、適性面で問題になるとしたら「冷徹に人と人を殺し合わせる事が出来るか」この一点なのかなぁと。
 例え敵であっても、寝食を共にした相手には死んで欲しく無い、という優しい貂です。カイネにも「甘ちゃんだな」と言われていましたが、その彼女が、本当に最後まで「冷徹に」策で四千の敵を撃退出来るのか? ここら辺が鍵になるのではないでしょうか。
 カイネは「軍師とは、前線で血を流す兵士よりもはるかに苦しくつらいもの。そして、恐ろしいものだ」――こんな風に語っています。
 戦に勝とうが負けようが、自分の「策」で何百・何千人という単位で人の命が容易く動くというプレッシャー。
 時に、自軍の勝利の為には味方の軍に対しても冷徹な判断をしなければならない事もあるでしょう。もしかしたら味方からでさえ、場合によっては嫌われる事もあるかも知れません。当然、敵からはその何倍も憎まれるでしょう。
 畏怖はされても、あまりフレンドリーには接して貰え無さそうな、どこか孤独な仕事だなぁ…と思うのですよね。どこか超然としている所が無いと出来ないというか…。(三国志の孔明のイメージが強過ぎだからかも知れませんが^^;)
 更に言えば、この先それなりに飛信隊に馴染んで皆と仲良くなったとしても、その仲良くなった人達を危険な地へ行かせるような策を献策しなければならない…とかそういう事もあるでしょうし。
 自分の策如何によって、多くの人の命が吹っ飛ぶというプレッシャーや恐怖といったものは、忘れてはならないものだと思います。が、それを毎回毎回背負いつつ、自軍が勝つ為の最善の道を模索する…というのは、並大抵の覚悟じゃ務まらないものでしょう。
 優しい所はそのままでいて欲しい、と思いますが、貂がこの辺りをどう乗り越えて行くのか。多少尺を取ってでも、ここはちょっと丁寧に描いてくれたら嬉しいなぁ…と思います。
 今回も、「敵先鋒隊千人を葬る!!」と一言で言っていますが、それは盤上の駒ではなく「生の人間」だという事を本当の意味で理解出来ているのか? ここは正直ちょっと疑問だったので……。

<追伸2>
「軍略囲碁」というのがものっそい気になります(笑)
 多分、単行本10巻196ページで蒙毅や貂達がやってるのがそれだと思いますが、これは結構面白そうだなぁと。。
 もうちょい規模を小さくしてボードゲームに出来そう……。
 もし、ゲームで第二弾が出るとしたら、ちょっとしたミニゲームでこの「軍略囲碁」も取り入れてくれたら嬉しいです(笑)

「感想」頁に戻る♪ 前の話の感想へ 次の話の感想へ トップ頁に戻る♪